薪ストーブのセルフメンテナンス【煙突掃除編】

 

関東圏も大幅に遅れての梅雨入りとなりましたね。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 

第一弾では屋根に登って煙突掃除をする場合で必要となる道具を紹介させて頂きました。

第二弾となります本日は煙突掃除実践編となります。

トップ形状の違いや作業する際の注意点などを詳しく解説いたします。

安全に関する部分は必ずチェックしてくださいね!

 


 まずは屋根までアクセスする際の注意点からご説明いたします。

原則として二名以上で作業してください。

一人でもできる作業内容かもしれません。ですが油断は禁物です。

・梯子が外れ屋根から降りられなくなった

・梯子が倒れ掛かってきて下敷きとなった

・屋根から落ちた

など、発見が早ければ大事にならずに済んだことも一人であればどうにもなりません。

梯子を登る際、ロープを縛る際、梯子を降りる際は一人がしっかりと梯子を支持しましょう。

雨樋や雪止め金具があり梯子をロープで固定できる状況であれば必ず行ってください。

 

梯子を立てかける角度は75°です!

側面に目安が書いてあるので必ずご確認ください。

立てすぎても寝かせすぎても危険です。

                          また、足元が沈む・滑る・グラつくなど不安定でないか確認ください。

                          登っている最中に気づいてはもう遅いのです。


次は装備チェックです。屋根に登る際の服装、それで大丈夫ですか?

万全を確認して作業に臨みましょう!

 

・ヘルメットを必ずかぶりましょう!

・足袋靴など滑りにくい靴を履きましょう!

・どんな危険があるか分かりません、作業手袋をつけましょう!使い捨てのゴム手袋もあれば便利です!

・ススを皮膚に付着させないためにも長袖、長ズボンを着用しましょう!

・ススを吸いこまないようマスクをつけましょう!防塵マスクが最適です!

 

しつこいようですが、屋根に登る際は緊張感をもって常に危険予測を!


トップ形状の違いから作業性と安全性がおおきく違います。

ご自宅の煙突がどちらかご確認下さい。

また、独学(ブログ記事や動画をみて)でメンテナンスを行うのではなく、一度は弊社など専門業者立会いのもと作業をして下さいね。無理せず安全確実にがモットーです!

【丸トップ】 作業時間5分ほど

弊社での施工はコチラがほとんどで、トップはロッキングバンドで固定しており着脱が簡単です。

バンドを外す際に変形、破損しないよう気をつけましょう!

外したトップは家庭用ごみ袋(45ℓ)などに入れて地上まで安全に運搬します。

 

※屋根上での作業は常に危険と隣り合わせです。

決して油断せず、なるべく地上での作業を心がけましょう!

地上まで降ろしたら刷毛などで掃除しましょう。

簡単に分解できて、丸ごと水洗い可能なタイプが多いと思います。

分解方法がご不安な方はお気軽にご相談ください。

【角トップ】 作業時間10分ほど

堅牢でいわゆる煙突といった見た目が好評のこちら。

天板がビスで固定してあることが多く、工具を駆使して天板を外します。

外した天板(1枚物の鉄板)はなかなかの重さがあり、また風を受ける面が大きいので持ち方には注意です!

少しでも気を抜くと最悪の場合、吹き飛ばされるか身体ごと持っていかれてしまいます。

こちらも可能であれば地上まで運搬し、清掃しましょう!

こちらも刷毛などで掃除しましょう。

 

※角トップを開けると虫や鳥が巣をつくっている事が時たまあります。驚いて足を滑らせないように!



煙突掃除ブラシのご紹介になります。

ご自宅の煙突にあったタイプを選択してくださいね!

 

【ナイロンブラシ】

煙突径に合わせたものをご用意ください。

多くの方は6インチ(Φ150mm)かと思います。

パウダー状の煤であればナイロンブラシで十分綺麗に掃除出来ます。

ワイヤーブラシと違い、煙突表面を傷つけることなく掃除ができますのでお勧めです。

【ワイヤーブラシ】

タールでこびりついた煤を掃除する場合はこちらを使用いたします。

削り取るように掃除していきますので煙突表面に細かな擦り傷が付いてしまいますが、煤が残ってしまうよりかは致し方なしといったところでしょうか。

細かな傷がついてしまうと煤が付きやすく&落としにくい環境になってしまうのでお勧めはしません。

薪の含水率をチェックしてみたり、燃焼中に給気量を絞り過ぎていないか今一度使用方法を確認してみると良いかと思います!


 

お次はロッドのご紹介になります。

画像のロッドはファイヤーサイドより販売されている1.0mのロッドです。

弊社でも取り扱いしておりますので実物をご覧いただけます。

 

必要な本数を継ぎ足して使用いたします。

平屋でしたら4、5本程度。

2階建ての場合7、8本は使用するかと思います。

煙突内で5~10回程度上下させ先端に接続したブラシで煤を落としていきます。

 

※この際、必ず時計回りにロッドを回しながら動かして下さいね!ロッドの接続は時計回りに回してロックします。反時計回りは解除する方向なので、最悪の場合煙突内でロックが外れてブラシを置き去りにしてしまいます。

想像しただけで恐ろしい状況です。


煙突が汚れるメカニズムはコチラにて簡単にご説明しております。

簡単な読み物となっていますので、一度ご覧いただければ幸いです。


 

 

 

 

さて、次は室内の養生とブラシを挿入する準備についてご説明いたします!

ブルーシートやマスカーテープをご用意いただければ大切なご自宅の床や壁、家具を汚さずに済みます。

ご参考になればと思います。

 

 

 

 

私たちが煙突掃除をする際は、煙突継ぎ目にラップを巻きます。

煙突同士はツイストロックとロッキングバンドでしっかり接続されていますが、粒子の細かい煤が漏れないとも限りません!

もしもを想定してしっかり養生しましょう!


口元付近で煙突がスライドできる箇所があると思いますので、その部分から煙突を外してブラシを挿入する準備をしましょう!

弊社では、スライドする際に擦り傷が付かないようハンディラップを巻いて養生しております!

煙突を外す際は二名で作業しましょう。

一人は外さない方の煙突を支持し、もう一人が煙突を外します。

外す予定の無い煙突まで一緒に外れてしまわないように注意してください!

煙突を外したら袋を被せます。

家庭用ごみ袋などで大丈夫ですが、二重にかけておくと安心でしょう。

屋根からブラシを挿入しますので、気づかない内に袋を突き破っていた!なんて想定も経験を積まないとなかなか出来ないものです。



 

煙突内の煤が落とせましたね!

煤はとても軽く、室内に舞いやすいので注意しながら処理していきます。

集塵機をお持ちでしたら吸いながら作業していただくのが良いでしょう!


 全ての清掃が終わりましたら外した時の逆の手順で戻していきます。

最後まで気を抜かず仕上げてしまいましょう。

煙突の緩みは無いか、ロッキングバンドは確実にしたか、安全の為に二重・三重のチェックをしましょう!

 

最後になりますが

セルフメンテナンスを検討している方は弊社含め専門業者立会いの下、メンテナンス方法の説明を受けてからご自身で行うことをお勧めいたします。

まずはご相談いただければと思います!                                              

                                     y.nakano